西表島の位置
西表島は、九州から台湾に向かって南西へ延びる琉球弧の最西端近く、石垣島などとともに八重山諸島を構成する島です。東京からはおよそ2100km、沖縄本島の那覇からも430km離れています。
西表島は面積約284.44km2、一周約130kmと沖縄県では沖縄本島に次いで二番目に大きな島です。
西表島は行政上「沖縄県八重山郡竹富町」に属します。私の住所を見た知り合いに「竹富島に住んでいるのかと思った」とよく言われますが、竹富島・西表島・小浜島・黒島・波照間島・新城島・鳩間島などの島々から竹富町は構成されています。
なお、竹富町でも近隣の石垣市・与那国町との合併の話が進んでいます。合併しないという結論になるかもしれませんが、もしかしたら来年には「石垣市」もしくは「八重山市」になるかもしれません。
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西表島の気候
気候は温暖で、年平均気温は23.4℃。最も寒い1〜2月でも最低気温の平均が15℃前後。6〜8月が最も暑く、そのころの最高気温は32〜33℃、最低気温は26〜27℃です。最高気温は東京などに比べると低いのですが、最低気温は毎日25℃を越えますので、毎日熱帯夜です。湿度も年間通じて高く、それに比べて降水量はそれほど多くなく、年間2,300mm程度。そのため、夏には干ばつになることもあり、断水の心配も珍しいものではありません。
- 冬 12〜2月
北風が吹き、曇って、肌寒い日が続きます。雨もよく降ります。気温は15℃前後なので、それほど寒いわけではないのですが、風が強いので体感気温では寒く感じます。でもたまに日中汗ばむ暖かい日があります。
服装は長袖シャツにウィンドウブレーカーやフリース。でも暖かい日に備えて半袖シャツやTシャツも合った方がよいでしょう。
- 春 3月
南風が吹くようになり、そんな日は気温が20〜25℃くらいになり、暑さを感じさせます。一週間おきくらいに天気は変わり、北風が吹き、雲って肌寒い日もやってきます。
- 初夏 4月〜5月上旬
「うりずん」と呼ばれ、沖縄では最もよい季節とされている時期です。最高気温は25℃を越えるようになり、夏を感じさせます。年によっては1〜2個、台風が来ます。
半袖、半ズボンでOK。でも日差しが強いですから、油断すると日焼けで痛い目に遭います。夜は気温が下がりますので、薄手の長袖と長ズボンもあった方がよいでしょう。
- 梅雨 5月中旬〜6月中旬
ゴールデンウィークを過ぎると梅雨に入ります。前線が停滞して雨の降る日が多い時期です。が、ここ数年空梅雨続き。
- 夏 6月下旬〜9月
本土が梅雨に入るとこちらは梅雨明け。本格的な夏です。毎日毎日、最高気温は32℃前後、最低気温も27℃前後と、暑い日が続きます。日中は海からの風があるので、日かげの風通しのよいところで何もしなければ、東京の夏より快適です。日なたで風の通りが悪いところで体を動かすと、とんでもないことになりますが。夜は風が止んでしまうので、クーラーがないとかなり寝苦しいです。
西表島は雨が多いという印象があると思いますが、降水量の多いまとまった雨は台風が来襲したときだけ。スコール(通り雨)は毎日のようにありますが、局地的で、降水量としては少ないものです。でも、その雨の降り方は土砂降り。雨具を持っていないとずぶ濡れになりますよ。
この時期は大きな台風が来襲します。注意しないといけないのは、八重山のすぐ近くで熱帯低気圧から台風に変わること。天気予報では昨日まで台風のことをいっていなかったのに、もう明日、台風がやってくるなんてこともあります。熱帯低気圧の状態では、天気予報であまり大きく取り上げることがないですからね。天気図をよく見て、熱帯低気圧が今どのあたりにあるのか把握しておくと、慌てなくてすみますよ。
服装は、半袖、半ズボンでOK。ついでに帽子も忘れずに。日差しは痛いくらいですから、日焼けに要注意。日に焼けたくない人、肌の弱い人は、薄手の長袖と長ズボンで日差しを遮りましょう。雨具も忘れずに。
- 秋 10〜11月
10月にはいると、新北風(みーにし)と呼ばれる強い北風が吹くようになります。そんな風が吹く日は曇って海も荒れ、西表島西部の港(船浦港・上原港)への船は欠航します。
11月になると少し天気が持ち直し、本土の秋のような天気になります。気温は20℃を越えていますので、かなり暖かいですけどね。
日中は半袖で大丈夫。夜は半袖では寒く感じる日もあるでしょう。風の強い日はウィンドウブレーカーが欲しくなるかもしれません。
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西表島に来るには
- 西表島に空港はありません。まずは石垣島まで来ましょう。石垣島には飛行機で来る方法と船で来る方法があります。船で石垣島まで来るのもなかなかよいものですよ。時間がかかりますけど。(一回、那覇−石垣の船を利用したことがあります。だんだん島影が見えてきたり、海鳥が観察できたり、おもしろかったですよ。)
- 石垣空港には羽田・名古屋・大阪・広島などからの直行便もありますが、便数も少なく、小さな機材で運行している路線なので、普通は那覇空港で石垣行きの便に乗り換えることになります。石垣空港に着いたら、離島桟橋に向かってください。タクシーで5分くらい。東運輸の路線バスもあります。路線バスは遠回りをするので少し時間がかかりますが、運賃が200円と安上がりです。
- 離島桟橋についたら、「安栄観光」もしくは「八重山観光フェリー」の高速船に乗ります。安栄観光は大原行きと船浦行きが、八重山観光フェリーは大原行きと上原行きが出ています。西表島東部(大原・大富・豊原・古見)に行く場合は大原行きに、西表島西部(船浦・上原・中野・住吉・浦内・干立・租納・白浜・舟浮)に行く場合は船浦行きもしくは上原行きに乗ってください。冬季は西部行きの船が欠航のことがよくあります。そんな日は西部と東部の間で送迎バスが運行されますので、西部行きの乗船券を買い、バス券をもらいましょう。マイクロバスで西部まで連れて行ってくれます。
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西表島内の交通
西表島内の公共交通機関は無いに等しいと考えてください。白浜〜大原間に路線バスが運行されていますが、一日五往復のみ。そのうち、二往復は白浜〜船浦間の運行で、白浜〜大原間は一日三往復です。西表島は、県道に沿って集落がある程度の間隔を置いて連なっていて、集落間を歩いて移動するのはかなり大変です(が、歩いている人もいますねえ〜。すごーい!)。効率よく移動したい場合はレンタカーを借りた方がよいでしょう。ヒッチハイクという裏技もありますね。車は結構走っていますから、あとは親切な人がどのくらいいるかですけれどもね。
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西表島内ショッピングガイド
- 日用品
西表島に来て日用品が必要になったら、東部なら大原の玉盛スーパー、西部なら上原の川満スーパーに行ってみましょう。各集落に一つくらいは売店があります。大富の大富共同売店、船浦の西部文具、中野の親川スーパー、租納の星砂スーパー、白浜の屋良商店ものぞいてみましょう。
ただし島内のスーパーには必要最低限なものしか置いてありません。カメラ用の特殊な電池などは入手困難ですが、東部の玉盛スーパーに置いてありました。
- 金融機関
金融機関は郵便局のみ。東部は大原に、西部は租納にあります。ATMも設置してあります。郵便局のある集落に宿泊しているならともかく、そうでない場合、郵便局に行くまでに時間がかかります。また、島内でクレジットカードが使えるところはほとんどありません。石垣島の離島桟橋の近くに八重山郵便局・琉球銀行・沖縄海邦銀行があります。西表島に来る前に、必要なお金は現金で用意しておいた方がよいでしょう。ただし、民宿内では時折盗難事件が起こっているそうですから、現金の管理には気をつけましょう。
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西表島のおみやげ
西表島に来たからには、西表島ならではのおみやげが欲しくなるもの。代表的なおみやげ。
- 西表黒糖
「西表黒糖」は西表島東部の製糖工場で生産される黒糖。100%サトウキビだから、風味もよく、栄養があります。1袋300g入り。島内のスーパーで180円前後で売っています。
黒糖の生産はサトウキビの収穫の時期(12〜4月)のみ。そして、収穫したサトウキビの多くは白糖にしてしまいますから、黒糖の生産量は少なく、夏を過ぎると売り切れるスーパーも出てきます。
- パイナップル
3月下旬から11月にかけて島内のスーパーや無人売店で1個50〜300円くらいで売っています。8月頃のパイナップルは缶詰のパイナップルのように甘いです。パイナップルは収穫した後、追熟することはありません。売っているものはもう熟しています。買ったら早めに食べましょう。美味しいよ!
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西表島をより深く知るために
- 『ヤマナ・カーラ・スナ・ピトゥ 西表島エコツーズム ・ガイドブック』西表島エコツーリズム協会
西表島の自然、文化、歴史をコンパクトにまとめてあります。一読されると西表島への理解が深まります。
- 横塚眞己人『西表島フィールドガイド』実業之日本社
西表島に住んでいたことのある写真家の横塚眞己人さんがまとめた西表島の生物図鑑。魚類が全く取り扱われていないのと、植物に物足りなさがありますが、陸上の動物でよく目にするものは結構網羅されています。
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2004年4月4日公開