Top Page 写真解説

2017年3月

ヤエヤマセンニンソウ

◆写真の花はヤエヤマセンニンソウ Clematis tashiroi。2013年10月に祖納で撮影しました。
◆キンポウゲ科のつる性の多年生草本。分布は奄美大島以南の南西諸島と台湾です。
◆西表島では低地から山地の林縁の明るい場所に生育します。
◆托葉が融合して節の部分で盾状になるのが特徴です。
◆花びらのように見えるのは萼片で紫色をしています。




2013年1月

ツワブキ

◆写真の花はツワブキ Farfugium japonicum。2004年12月にピナイサーラで撮影しました。
◆キク科の多年生草本。分布は本州(福島県・石川県以南),四国,九州,南西諸島;朝鮮半島,中国です。
◆西表島では渓流沿いや谷間のやや湿った場所に多く生育します。
◆葉の形の変異が大きく、渓流に対応した形をリュウキュウツワブキとして分けます。




2012年7月

ウミショウブ

◆写真の花はウミショウブ Enhalus acoroides。2006年7月に西表島で撮影しました。
◆トチカガミ科の多年生草本。分布は石垣島,西表島,インド洋,中〜西太平洋の熱帯域です。
◆遠浅の砂地の海中に生育する沈水植物です。
◆花は主に7〜8月の大潮の干潮時に開花。雄花が水面上を風に流されて滑走し、雌花にたどり着くという、面白い受粉の仕組みを持っています。




2012年3月

タイワンサギゴケ

◆写真の花はタイワンサギゴケ Staurogyne concinnula。2008年4月に浦内川で撮影しました。
◆キツネノマゴ科の多年生草本。分布は石垣島,西表島,台湾,南中国です。
◆常緑樹林内の日陰になった崖面によく生育します。開花は3〜4月と花期は短いです。
◆タイワンサギゴケという和名から苔の仲間?と聞かれますが、苔の仲間ではありません。




2012年1月

オキナワハグマ

◆写真の花はオキナワハグマ Ainsliaea macroclinidioides var. okinawensis。オキナワテイショウソウもしくはマルバハグマとも呼ばれます。2009年2月に浦内川で撮影しました。
◆キク科の多年生草本。分布は奄美大島以南の南西諸島。基変種は中国・台湾に分布し、本種は琉球列島の固有変種になります。
◆山地のやや明るい乾いた尾根上などに生育し、12〜2月頃に開花します。




2011年12月

テリハノギク

◆写真の花はテリハノギク Aster taiwanensis var. lucens。2010年12月にピナイサーラで撮影しました。
◆キク科の多年生草本。分布は石垣島,西表島,尖閣諸島。低地から山地の半日陰の岩場などに生育します。
◆基変種は台湾に分布し、本種は八重山諸島の固有変種になります。
◆11〜4月頃に開花し、冬の到来を感じさせる花です。




2011年10月

タイワンエビネ

◆写真の花はタイワンエビネ Calanthe formosana。2005年10月に西表島内で撮影しました。
◆ラン科の多年生草本。分布は沖縄島,西表島,台湾。湿った常緑樹林内に生育します。
◆国内の自生地はたいへん少なく、環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類、沖縄県で絶滅危惧IB類に指定されています。
◆10〜11月頃に黄色い花をたわわに咲かせます。




2011年9月

マツムラソウ

◆写真の花はマツムラソウ Titanotrichum oldhamii。2006年9月に西表島内で撮影しました。
◆イワタバコ科の多年生草本。分布は石垣島,西表島,台湾,南中国。常緑樹林内の湿った崖面に生育します。
◆国内の自生地はたいへん少なく、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
◆7〜9月頃に咲くので、開花を見るなら、一番暑い時期に長時間トレッキングしないといけません。




2008年12月

サキシマフヨウ

◆写真の花はサキシマフヨウ Hibiscus makinoi。2008年10月に高那で撮影しました。
◆アオイ科の常緑低木。分布は九州のごく一部と南西諸島。サキシマと付くけど沖縄本島や奄美にも分布してます。
◆海岸近くの路傍に普通。
◆花弁の色は真っ白に近いものから、ピンク色まで個体差があります。
◆サキシマフヨウが咲き始めるころから、北東の風が吹く日が多くなる。夏の終わりを感じさせる花です。




2008年1月

ナガバイナモリ

◆写真の花はナガバイナモリ Ophiorrhiza japonica var.Tashiroi。ナガバノシマイナモリとも呼ばれる。2007年1月にピナイサーラで撮影しました。
◆アカネ科の多年生草本。サツマイナモリ(関東南部以西に分布)うち、葉が長く石垣島と西表島に分布する変種。品種とする意見もある。
◆常緑広葉樹林内の渓流沿いや湿った谷沿いに生える。12~3月頃に開花。
◆冬の渓流でよく目立つ花です。




2007年2月

オオバライチゴ

◆写真の花はオオバライチゴ Rubus croceacanthus。リュウキュウバライチゴとも呼ばれる。2007年2月に大富林道で撮影しました。
◆バラ科の落葉低木だが、西表島では落葉している様子を見ることは少ない。
◆日当たりのよい林縁に生える。花期は長いが、1~2月頃によく開花する。
◆実は赤く熟して食べられる。




2006年11月

トクサラン

◆写真の花はトクサラン Cephalantheropsis gracilis。2004年11月に西表島で撮影しました。
◆ラン科の多年生草本。国内の分布は九州南部から南西諸島。
◆常緑広葉樹林内に生える。11月に開花。全体的に清楚な雰囲気がある。
◆環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に選定されている。




2006年9月

イリオモテヒメラン

◆写真の花はイリオモテヒメラン Malaxis bancanoides。2006年8月にピナイサーラで撮影しました。
◆ラン科の多年生草本。国内の分布は八重山諸島。国外では台湾・フィリピン。
◆常緑広葉樹林内に生える。8〜9月に開花。色は黄色から赤紫色まで変化があるようだ。
◆別名「ムラサキチュウガエリ」、何でこんな名前がついたのだろう?




2006年7月

アオバノキ

◆写真の花はアオバノキ Symplocos cochinchinensis。2005年7月にピナイサーラで撮影しました。
◆ハイノキ科の常緑小高木。国内の分布は屋久島以南の南西諸島。国外では台湾・東南アジア・インド。
◆7〜9月にかけて何回か開花する。木の下には白い小さな花がたくさん落ちて、雪が降ったかのごとくになる。
◆しかし、アオバノキとは単純な名前ですね。




2006年5月

ツルアダン

◆写真の花はツルアダン Freycinetia formosana。2005年5月に西田川で撮影しました。
◆タコノキ科の常緑のつる植物。国内の分布は石垣島・西表島・小笠原。国外では台湾・フィリピン。
◆西表島の森の中にはいるとツルアダンが樹木に巻き付いている様子に圧倒されます。
◆開花は5月。とても甘い香りで、森の中では風に乗って香りが漂っています。




2005年10月

アリモリソウ

◆写真の花はアリモリソウ Codonacanthus pauciflorus。2005年9月にピナイサーラで撮影しました。
◆キツネノマゴ科の多年生草本。国内の分布は屋久島以南。国外では台湾・南中国からインドにかけて。
◆やや湿った常緑樹林の林床や谷沿いによくあります。
◆開花は10〜12月。涼しくなり始めると咲き始め、寒さが増してくると花も終わりです。
◆小さくてとても可憐な花です。




2005年9月

クロヨナ

◆写真の花はクロヨナ Pongamia pinnata。2004年9月にマーレー川で撮影しました。
◆マメ科の常緑高木。国内の分布は屋久島以南。国外では東南アジアからオーストラリアにかけて広く分布しています。
◆海岸近くに多く、川沿いにもよくあります。
◆ある図鑑には花期が5〜11月とありますが、9月頃が最もよく咲くようで、紫色の花がとてもきれいです。
◆種子は海流で散布されます。




2005年8月

イリオモテソウ

◆写真の花はイリオモテソウ Argostemma solaniflorum。2004年7月に浦内川で撮影しました。
◆アカネ科の1〜2年生草本。国内の分布は石垣島と西表島。国外では台湾の蘭嶼とフィリピン。
◆林内の湿り気ある岩の上に生えていて、小さくてかわいい植物です。
◆和名の由来は、国内では西表島だけに産すると思われたため。




2005年7月

ツルラン

◆写真の花はツルラン Calanthe furcata。2004年7月に古見岳で撮影しました。
◆ラン科の多年生草本。九州南部から南西諸島、国外では中国・マレーシアに分布。
◆大型のエビネの仲間で、西表島では少し山の中に入れば、比較的よく見かけます。
◆花が大の字型になった人間の姿に見えて面白い。和名の由来は花の紅色の部分をタンチョウの頭部に見立てたそうだ。




2005年6月

リュウキュウボタンヅル

◆写真の花はリュウキュウボタンヅル Clematis javana。2005年5月に浦内川で撮影しました。
◆キンポウゲ科のつる植物。本土に「ボタンヅル」という近縁種が分布しています。よく似ています。
◆人里近くに普通にあって、小さな白色の花をたくさんつける様がきれいです。
◆キンポウゲ科には有毒植物が多いです。毒は適切に使えば薬にもなりますから、薬用植物も多い分類群です。でもこれは、特にこれと言ってという感じのようです。




2005年5月

アオノクマタケラン

◆写真の花はアオノクマタケラン Alpinia intermedia。2004年4月にピナイサーラで撮影しました。
◆多年生の草本。和名に「ラン」と付きますが、ショウガの仲間です。
◆沖縄ではだれでも知っているゲットウ(月桃)と同じ属になります。ゲットウと違って、花が清楚で、葉によい香りはありません。
◆沖縄だけでなく、伊豆諸島・紀伊半島・四国・九州にも分布しています。




2005年4月

センダン

◆写真の花はセンダン Melia azedarach。2005年4月に浦内で撮影しました。
◆落葉高木で、海岸近くや集落周辺にあります。
◆新葉の展開と開花がほぼ同時なので、遠目に見ると木が薄緑色と薄紫色に染まってきれいです。
◆「栴檀は双葉より芳し」という諺がありますが、諺の「栴檀」は別の植物(ビャクダン)を指しているそうです。だから「芳し」くありません。




2004年8月

マルヤマシュウカイドウ

◆写真の花はマルヤマシュウカイドウ Begonia laciniata ver. formosana。2004年7月に古見岳で撮影しました。
◆常緑の多年生草本。谷沿いの岩の上や湿った崖面に生育します。花の色は写真のような薄いピンクから白色までバリエーションがあります。
◆国内には2種のベゴニア属が分布します。どちらも八重山諸島のみでみられます。もう一種はコウトウシュウカイドウ。葉の形が違うのと、花期にずれがあります。
◆環境省レッドリストでは[準絶滅危惧(NT)]にランクされています。




2004年7月

サガリバナ

◆写真の花はサガリバナ Barringtonia racemosa。サワフジとも呼ばれます。2004年6月に浦内で撮影しました。
◆常緑の中高木で高さ10m位になります。マングローブ林の後背湿地や川沿いにまとまった林をつくります。国内の分布は奄美以南ですが、西表島以外では少ないようです。
◆花は日が暮れるとともに咲き、夜が明けると散り始めます。開花中は花の香りに誘われてたくさんの昆虫が花に訪れます。5月から12月頃まで花は咲きますが、一番の見頃は7月になります。




2004年6月

ミフクラギ

◆写真の花はミフクラギ Cerbera manghas。オキナワキョウチクトウとも呼ばれます。2004年6月に浦内で撮影しました。
◆常緑の小高木で高さ10m位になります。国内の分布は奄美以南。海岸沿いや川の下流部の林縁に多くあり、これから夏が終わる頃まで花を見ることができます。花はなかなかよい香りがします。
◆果実は大きく、えんじ色に熟します。美味しそうに見えますが、皮をむくとすぐ繊維質の中果皮になり食べられるようなところはありません。この果実は水に浮くので、水の流れで種子を散布します。
◆和名は「目がふくらむ木」という意味。樹液などが有毒で、目に入ると腫れることから。




2004年5月

ノボタン

◆写真の花はノボタン Melastoma candidum。2004年5月に上原で撮影しました。
◆常緑の低木で、明るく乾いた草地、畑の脇、林縁などによくあります。
◆国内の分布は奄美以南。牡丹の仲間(ボタン科)ではありません。ノボタン科に分類されます。九州以北に分布しているノボタン科の植物は「ヒメノボタン」しかないので、あまり馴染みがないかもしれませんね。
◆この花が咲き始めると、いよいよ夏だなあ〜、これから毎日毎日暑い日が続くようになるなあ〜、と感じます。




2004年4月

コンロンカ

◆写真の花はコンロンカ Mussaenda parvflora。2004年4月に浦内で撮影しました。
◆半つる性の常緑低木で、半日陰の林縁によくあります。花の時期は3月下旬から梅雨明けくらいまで。花と顎の調和が美しいです。
◆国内の分布は屋久島・種子島以南。西表島には変種ヤエヤマコンロンカ M. parvflora var. yaeyamensis があるとされますが、まだ「これがそうだ!」という個体に出会っていません。図鑑を見ると区別は難しそうです。




2004年3月

セイシカ

◆写真の花はセイシカ Rhododendron latoucheae。2003年3月に古見岳で撮影しました。
◆花の時期は3〜4月。薄いピンクの花を咲かせますが、株によって少し濃淡があります。
◆国内の分布は八重山諸島と奄美大島。その間の沖縄本島にはありません。なぜなんでしょう?(但し、奄美大島のものをアマミセイシカ R. amamienseと分ける意見もあります。私は奄美大島のものを見たことないので判断できません。)


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