分布/石垣島,西表島,与那国島;台湾,中国南部,フィリピン,東南アジア,インド,オーストラリア北部
生育環境/低地
生活型/常緑高木
石灰岩地帯や谷沿いの低地に多く生育する雌雄異株の常緑高木。板根がよく発達する。イヌビワの仲間には幹に直接、花をつける種が多いが、この種のように太い幹に花をつける種は少なく、本種の他にアカメイヌビワがある。このような花の付き方を「幹生花」と呼ぶ。イチジクコバチ類が送粉し、果実はオオコウモリ類が食べて種子を頒布する。西表島にはイヌビワの仲間が多いが、板根がよく発達し、太い幹に幹生花が散らばってついていたら本種である。
幹に直接つく花 【2004/4/9 浦内】
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イチジク状花序 【2004/4/9 浦内】
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葉 【2004/4/12 浦内】
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板根 【2005/4/17 ユチン川】
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葉 長さ10〜22cm、幅5〜11cm、葉柄の長さは3〜10cm。全縁で葉の表面に毛はない。常緑だが、冬季に風が強く当たる環境に生育する株は落葉することが多い。
花 果実のように見えるのが花で、イチジク状花序と呼ばれる。内側で花が咲くので花を直接見ることができない。花は幹や太い枝に直接つく。雌雄別株だが、表面からは区別は付かない。イチジクコバチ類が花粉を送粉をする。
果実・種子 小振りのイチジクのような果実をつける。オオコウモリ類が食べて種子を散布する。
根 板根がよく発達する。