(クワ科)
学名:Ficus subpisocarpa Gagnep.
分布:本州(紀伊半島),四国,九州,南西諸島;台湾,中国南部,東南アジア
解説:常緑高木。雌雄同株。幹から多数の気根を出すが、支柱根にはならない。
オオバアコウ・ガジュマル・ハマイヌビワとともに「絞め殺しの植物」と呼ばれる。これら「絞め殺しの植物」の種子は、鳥によって運搬される。熟した果実は、ズアカアオバト・キジバト・ヒヨドリなどが採食する。種子は、鳥の糞とともに排出され、岩上や樹上でも発芽し、その岩や樹木を土台にして成長することができる。結果的に土台にした樹木を枯らしてしまうことから、「絞め殺しの植物」と呼ばれる。
葉は互生し、小判型で長さ8-15cm、側脈が6-8対。一年に一回程度、一斉に落葉し一斉に新芽をだす。落葉の時期は不定だが、早春から初夏にかけてが多い。
イチジク状花序は直径9mm前後。熟すると10-15mm。熟した果実は、やや楕円形で、はじめ白色で後に淡紅〜黒紫色になる。
近縁な種にオオバアコウがある。葉の側脈の数と花序の大きさで区別できる。オオバアコウに比べ葉が小さく葉柄も短い傾向があるが、この点で区別することは困難である。
2005/6/18 公開
2008/1/12 改訂